こんにちは。
レザーマイスターのnobです
シーズンオフのレザーの保管方法
をよく質問されるんです
確かに長く着たいから
夏の保管方法は知りたい!
教えて~先生
- レザージャケットやコートをしまう時どうしたらいいかわからない方
- 夏場の保管方法が知りたい方
- そのままの保管だと心配な方
- シーズンごとにクリーニングが必要なのか迷っている方
【結論】
・基本クリーニングは出さない方がいい。
・保管前のお手入れはクリームなどでメンテナンス。
・保管は湿度だけ注意。
この3点です。
しかし素材や撥水加工などの機能によっても異なります。
レザー業界35年の私が丁寧に解説します。
全国の大手百貨店でオリジナルブランド『nobstyle』を展開中。
レザーマイスターとして全国の百貨店出向きお客様にご紹介しています。
ショップチャンネルにも出演。
[レザーの商品開発][レザー専門の営業から販売]両方の業務に30年以上携わっている人はいないので知識や経験においては日本でもトップクラスだと思います。
そんな私がラムレザーの豆知識やメンテナンス、お客様のお悩みについても書いていきいと思います。ぜひ参考にしてみてください。
レザージャケットの夏の保管は湿度を注意するだけ!専門家が解説
ここでは一般的な方法をご紹介します。
素材やなめし方、加工の仕方によって
様々ですので見えないところで試しながら
自己責任でお願いしますね。
保管前にやっておきたいこと
2-3ヶ月はクローゼットに入れておきますのでしまう前にメンテナンスしておきましょう。
そもそも手入れがなぜ必要なのかを説明したいと思います。
レザーの手入れがなぜ必要なのか
レザーは種類もなめし方も様々です。
中には放っておくと硬くなる素材も少なくありません。
硬くなるとひび割れしやすくなります。
ひび割れてしまうと元には戻らないので、そうならないように手入れが必要なのです。
逆を返せば硬くならない皮革は余計に何かを塗り込んだりしない方がいい。
「レザー=手入れが大変」
このように思い込んでいる方がほとんどですが、実はお手入れを必要としない素材も沢山あるのです。
これを念頭に次の章を読み進めてください。
つるんとした表革の手入れ
羊革(ラム)
①クリームやオイルを塗る必要はありません
しっとりした柔らかい素材の場合は、ひび割れてくる可能性が低いためオイルやクリームなどを塗ることはおすすめしていません。
②全体を乾いた布で拭く
食べかすや飲み物などが付着している場合がありそれらが悪さをするケースがあるので全体を乾いたタオルで拭きましょう。
③汚れを発見した場合
汚れの種類にもよりますが、皮革専用のクリーナーで落としてみてください。
色々使ってみて一番汚れが落ちるのがトーエーのスペシャルクリーナー
10年以上使い続けています。
ご自宅に1本あると靴・ソファー・スニーカー・バッグなどにも使えます。
ムースタイプなのでタオルに取って、泡をつぶして使います。
優しく汚れを拭きとるイメージです。
次の牛革のジャケットにも使えます。
牛革
メンズのライダースやバイク仕様など身体を守るようなハードなタイプが多いので、このようなタイプの素材はしっかりとお手入れしてあげましょう。
①全体を乾いたタオルで拭く
拭いている時に汚れを見つけたら鉛筆で使う消しゴムかレザー専用のクリーナーで汚れを落としいください。
上の羊革の汚れ落としと同じです。
②レザー専用のオイルやクリームで全体を塗り込む
特に陽に当たっている肩回り、曲げ伸ばしのある肘や腕の内側、を重点的にケアしてあげてください。
◆レザーハニー
50年以上前に開発され、1度塗ると半年以上効果を発揮してくれます。
つまり年に1-2度のお手入れで大丈夫。ソファや靴にも使えます。
◆マットに仕上げたい人はM.モゥブレィ デリケートクリーム
私はやったことがありませんが、ヌメ革にも使えるようです。
目立たないところでテストしてみてくださいね。
③室内で陰干し(晴天の日なら1日程度)
お手入れ後は1日部屋の中で陰干しをしてください。
スエード(起毛してある素材)
①全体をブラッシング
起毛してある毛の間にあるほこりなどを落としまししょう。
昔は金ブラシをおすすめしていましたが、素材に負担がかかるのでNG
ナイロンブラシだと静電気でほこりを呼んでしまいます。
「天然(生)ゴム」か「ホースヘア(馬毛)」のブラシを使ってください。
生ゴムのブラシにしてくださいね。
馬の毛のブラシも適度な油分があり、レザーのお手入れに適しています。
柔らかめのブラシにしてくださいね。
②汚れを発見したら目の細かいサンドペーパーで軽く削る
起毛してある毛の先に汚れが付着していることが多いのでそこを削り落とすイメージです。
強い力でゴシゴシすると素材そのものにダメージがかかりますのでキメの細かいサンドペーパーでソフトに軽く摩るようなタッチで汚れ部分を落としてみてください。
できるだけ目の細かいサンドペーパーを使い、軽く摩るように汚れを落としてください。
③栄養スプレーをかける(オプションとして)
②までで問題ありませんが、栄養を与えたい方は「ドレスインプレグニーラ」を全体に吹きかけてください。はっ水と同時に栄養も浸透します。
※必ず見えないところでテストをしてください。
裏地⇒何もしなくてOK
①裏地の汚れが気になる場合⇒濡れたタオルで拭く
しっかりと硬く絞ったタオルで裏地の気になる部分を拭いてください。
私はファブリーズ的なものを一吹きする程度です。
②乾くまで室内で陰干し
濡れたタオルを使いますので乾くまで室内で陰干ししてください。ファブリーズも同様です。
保管の仕方
全て共通⇒ハンガーにかけて保管してください
お手入れが終わったらハンガーにかけて保管してください。
ハンガーの注意点⇒肩が合った物
ハンガーに少し厚みがあり肩と合った物。
ハンガーに厚みがない場合は滑らず、端が飛び出さない物。
カバーの注意点⇒ビニールは絶対NG
カバーは特にかける必要はありません。
肩の部分に温泉でいただくようなタオルをかけておくレベルでOKです。
ビニールのカバーは湿気がこもるのでNGです。
クローゼットの位置⇒入口のよく使うところ
クローゼットの中でも空気の流れる場所。
奥まったところより開け閉めするような位置がベストです。
湿度の高いお宅の場合⇒除湿棒の類を置いておく
湿度の高いお宅の場合は除湿剤を入れておくと良いのですが、近くに強力な除湿剤を置いておいたために皮革が硬化した事例が過去にいくつかありました。
あまり神経質にならずにクローゼットの奥の除湿を取るイメージで設置されるといいかと思います。
クリーニング⇒できるだけ出さない方がいい
クリーニングは天然素材の皮革にダメージを与えてしまいます。
生地の製品と違いニオイもつきにくいので毎シーズン出す必要はありません。
クリーニングに出す場合株式会社ユッカが提携しているレザー専門のクリーニング店に依頼します。
※ユッカではボタンなどのつけなおし、シーズンまでお預かりも承ります。
このサイト「nobのラムレザーLife」のお問合せからご連絡ください。
そんな手間が面倒な方におすすめのブランド
お手入れが面倒な方はそもそもお手入れのいらないブランドで商品を購入するのも手です。
老舗のJHA-JHA(ジャジャ)
yuccaTokyo (ユッカ)
nobstyle(ノブスタイル)
これらの3ブランドの特徴
上質なラムを使用している⇒オイルやクリームのお手入れが必要ない
はっ水加工がかかっている⇒汚れがつきにくい
レディースが中心で常設ショップはありません。
レザーの専門集団が作るブランドですので気に入ったものがあれば間違いありません。
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